私が泣き止むのを見計らって、彼はそっと私を離した。 無くなった温もりに僅かな寂しさを覚えて、彼の方を向くと、優しい眼差しで私を見つめる彼と目が合った。 ドキドキと胸が高鳴る。 近付く端正な顔に、私はそっと目を閉じた。 その後、彼が話してくれた。 ちゃんと断った、と。 それから私の頭をそっと撫でた。 幸せだ、と感じた。