彼と別れてから、私は彼の言葉を反芻していた。 『あの頃は恥ずかしくて言えなかったけど、』 『ちゃんと好きだったよ』 『不安にさせててごめんな』 そう言って、彼は私の頭に手を乗せた。 ゆっくりと彼を見上げると、申し訳なさそうに笑う彼と目が合った。 そしてもう一度、 『ごめん』 と呟いた。 しばらく流していなかった涙とともに、私のなかの何かが一緒に流れ落ちた気がした。