「――――!!」
ヤバい…、そう思っていても動けなかった。
「あお…っ」
ぎゅっ、と目をつぶり今はいない人の名前を呼ぶ。
葵は、風邪が悪化していて家にいる。
どうしたらいいの…っ
「あいつはいない。無駄だよ。」
その時だった。
「…どうしてお前は、約束を守らないんだ。」
「―――!?」
今はここにいるはずのない人の声がした。
「森崎!?なんでここにっ!」
私の手を離し、声の方へと振り返る芦野くん。
その隙が、私には好都合だった。
当たるとは思わないけど、芦野くんの脇腹に重たい一撃を放つ。
「っう!」
それに即座に反応した芦野くんは、腕で私の蹴りをガードするも、突然だったために大きくバランスを崩した。
その隙に、葵の方へと駆け寄った。
「葵!」
そこにいたのは、やっぱり葵だった。
しかしそこに、昨日のような辛そうな姿はない。
「なんでここに…!」
「完全復活。とはいかねーけど、熱は下がった。」

