とりあえず、人のいない空き教室に。
ここなら人目につかないし、問題ないだろう。
教室で話すには、私たちは目立ちすぎた。
「…それで、私は何をしたらいいのかな?」
「そうだな。今は、とりあえず…」
「え…」
突如、ダンッとすごい力で壁へと押しつけられた。
「…っぅ」
後頭部にジンジンとした痛みが走り、意識がぼんやりとする。
「あんたさ、ばっかじゃないの?この俺が、今さら謝ると本気で思った?」
かすむ視界の中、にやりと嘲笑う芦野くん。
「また…騙し…たんだ…!」
私がようやく吐き出した言葉に、芦野は可笑しそうに口角をあげた。
「騙される君が悪いんだよ。」
「どうして、こんな…」
「どうしてかって?面白いこと聞くね、君は。俺はね、ただあいつが嫌いなんだよ。」
ぐっ、と芦野くんは綺麗な顔を歪ませて私を睨んだ。
「森崎、どんな顔するだろうなぁ。大切なものが壊されたら。」
ゾクリ、芦野くんの表情に背筋が冷たくなった。

