俺様彼氏と空手彼女2





「こんにちは、牧瀬さん。今日は森崎いないの?」




私が睨み付けているっていうのに、芦野くんは依然として柔和な笑みを浮かべたままだった。




「今日は、葵はお休みなの。」




昨日はどうやら、馨さんの隙をついて出てきたらしく、


さすがに今日は見張られているらしい。




馨さんは今日は大学は休みだとかで、隙はないんだと思う。





「ふぅん。昨日から辛そうだったもんねー。大丈夫なの?」




「…っ!」




やり場のない怒りに、体が震えるのがわかった。




この人は、どうしてこう普通にしていられるの?




自分が優勝したいが為に、葵を裏切ったくせに。




「…ってよ。」




「え?何?」





「葵に謝ってよ!!」




ここがどこだったかということも忘れ、怒鳴った。



一瞬で教室内は、水を打ったようにシィンと静まり返り、全員の視線が私たちへと向けられていた。




だけど芦野くんは何事もなかったかのように、相変わらず穏やかな顔のままだ。



それが、余計に腹立たしい。