俺様彼氏と空手彼女2





葵はその後、迎えに来たお兄さんである馨さんの車で家へと帰った。




私に、芦野にはくれぐれも近寄るなと言い残して。




私もその日はもう、おとなしく家へ帰った。







そして次の日。



事件は起こったのである。






「牧瀬さーん。」



昼休み。


クラスの男子に呼ばれ、振り向く。



私を呼んだのは、入り口にいた話したこともない男子。



「何?」



「呼び出し。D組の芦野から。」




どくんっ




心臓が、鷲掴みされたかのような衝撃が走った。




「おーおー、モテモテだね」



何も知らない玲菜は、そんな風に冷やかしの言葉を吐く。



そんなんじゃないよと玲菜に微笑みかけ、私はぎゅっと拳を握り締めて入り口へ向かう。




そこにはいつもと変わらない、穏やかな微笑みを浮かべた芦野くんがいて。



昨日のことは、全部夢だったんじゃないかと錯覚しそうになる。



しかし、全て事実。




私は呼んでくれた男子にありがとうと礼を言い、きっと芦野くんを睨み付けた。