俺様彼氏と空手彼女2




逃げなくては…!


頭ではそうわかっているのに、体が言うことを聞いてくれなかった。



「や…めろ、あし…!」




「…うるさいよ。」



がんっ!!



空手着を掴んでいた俺の手を振り払うように、強烈な芦野の蹴りが俺の体に直撃する。



「ぐ…ぅ!」



すっかり体に力の入らなくなった俺は、あっさり吹っ飛ばされ、壁に背中を強打した。



肺に溜まった空気が押したざれ、ごほごほと激しく咳き込む。



「手間かけさせるなよ。」


ぐいっと俺の襟を掴みあげ、芦野の細腕からは想像も出来ない程強い力で俺を引きずり、近くの部屋へと投げ入れる。



「試合が終わるまで、おとなしくしてろよ。」



そう言って、芦野は扉を締めようとする。



俺は残った意識で、精一杯声を張り上げた。



「芦野…!なんでこんな…ことっ。俺たち、友達じゃなかったのかよ…っ!」












「―――…始めから、邪魔だったんだよ。お前は。」


どくんっ!



胸に、鈍い痛みが走った。


今まで受けた暴行の痛みよりも、更に痛い痛み。




―――ずっと、友達だと信じていた。