「あははっ、相変わらず鈍いんだなぁ。まぁ、お前のそういうとこは嫌いじゃないな。」
「な…っんだと!?」
「本当は両足を潰してやりたいとこだけど、親友お前に免じて、それは許してあげる。」
ゾクッ、背筋に冷たいものが走った。
こんな…、芦野はこんなことを口にするようなヤツじゃ…っ!
普段だって、虫も殺せないような顔してて。
「とりあえず、時間がないから手短に。」
「っ!?」
考え事をして、すっかり芦野から意識が外れていた俺はとっさに動くことが出来なかった。
がら空きの俺のみぞおちに、芦野の拳が深く入り込む。
「ぐっ…、ごほ…っ!」
そのせいで一瞬呼吸が止まり、呼吸を正常に戻そうと体が勝手に咳き込み始めた。
「あ…しの…!てめ…ぇ…っ」
苦しくて膝を付いた俺を、上から冷たく見下ろしている芦野。
朦朧とし始めた意識の中、必死に芦野の空手着を掴む。
「ふぅん…、まだ意識があるなんてさすがだな。」
「く…っ」
「やっぱ、捨て置けないよな。」
くす、と聞こえた芦野の嘲笑。

