俺様彼氏と空手彼女2





芦野…、




一生懸命記憶を巡らせるも、そんな名前は知らなかった。




「ごめん、知らない。」




「あっはは、いいよ別に。気にしないで。これから覚えてくれればいいから」





芦野はそう言って、一切邪気の籠もらない顔で笑った。



これが、俺と芦野の出会いだったんだ。





それから、俺たちは急激に親しくなった。




組み手を二人で練習したり、模範試合をしたり、他愛ない話で盛り上がったり。



話の中で、芦野は俺とは違う中学に通い、そこでも空手部に入っていることを知った。



そして、芦野の父親は空手の日本代表選手。


母親は柔道の銅メダリストだということがわかった。


そんな両親の影響で空手をやっているのだとか。




その時既に、芦野は段所有者を示す黒帯だった。




だから、芦野にはたくさん教えてもらったりした。




たった数日で、俺たちは何年も前から一緒にいる親友みたいに信頼し、認めあった。




…少なくとも俺は、そう思っていた。