俺様彼氏と空手彼女2





「どうしたの?」





「いや、いいんだ。期待した俺がバカだったよ」




「ん?」




葵が元気を無くす理由が今一つわからなかったけど、具合が悪い、ということで片付けておく。




反対側に、ひっそりと置かれている小さな冷蔵庫。




だいたいそこに熱冷まシートはある。




がこんっという音をたて、重々しい扉を開けると足元を冷気が流れていったのがわかった。




ゆっくりと目的のものを探すと、呆気なくそれは見つかった。




一枚を取出し、冷蔵庫の横に置かれた救急箱も同時に持つ。




確か、怪我してたよね。




口の横を切り、手の甲には痛々しげに血がにじんでいた。




私の、所為で…。





ぐっ、と奥歯を噛みしめ、くるりと葵の方へ振り返る。




「葵、熱冷まシー…」





「――――…聞かねぇのかよ」




私の言葉を遮り、重い声で葵は言った。




私が何を聞くべきなのか、それはわかる。




だけど、私の知らない部分の葵の過去。




聞いていいのか悪いのか、わからなかった。




「…聞いても、いいの?」