葵のその言葉に、さらに熱く顔が沸騰する。
うぅ、頭で目玉焼きが焼けそう…。
「葵、綺訛先生来たらどうするの…っ?」
「来ねぇよ。」
「そんなの…っ」
「奈波がさっき言ってただろ。俺たち一時間したら戻ってくるからって。“たち”ってことは、綺訛もしばらく来ねぇよ」
そう言うと、まったくあの野郎は…と小さくぼやく。
「でも、やっぱりこの体勢は…っ」
「何、恥ずかしいの?」
くっ、嘲笑を含んだ笑みを零し、更に腕に力を込める。
「う、うるさいバカ…。」
「あぁ、バカだよ俺は。バカみたいに、一人のバカ女が好きでしゃあねぇんだからな」
「な…っ!?」
「お、耳まで真っ赤になったな。」
「! 病人はっ大人しく寝てろっ!!」
「はいはい、わかったよ」
私がそう怒鳴ると、顔に苦笑を浮かべおとなしく離れた。
ほっとするやら、あのぬくもりが離れたことが淋しいやら。
結局どっちなんだか。
ふ、とかすかに自嘲する。
こんなヤツでも、好きなんだから仕方がない、か。

