「なん、だったんだろう…。」
「こういうことだろ」
ふわっ…。
そんな効果音が聞こえてきそうな程、後ろから柔らかく二本の腕で包まれた。
「え…っ、葵?」
「ホントにあいつ、教師のくせにいい性格してるよな」
「あいつって、奈波先生?」
「そう、奈波。」
葵が、かすれた声を漏らすたび、熱い吐息が私の耳元をくすぐった。
服越しに伝わる葵の体温も、すごく熱くて。
たぶん、ひどい熱があるんだと思う。
そんな体で葵は、来てくれたんだ…。
バカな私のために、助けに来てくれたんだ…。
「…ごめんね、葵。」
「ん?」
「こんな体なのに、私のこと助けに来てくれて。」
「大したことねーよ。約束だしな」
ぎゅっ、葵の腕に少し力が入り、さらに私の体をきつく抱擁する。
それが、たまらなく恥ずかしくて。
離してもらおうと、ついつい可愛くないことを言ってしまう。
「葵、辛いでしょ?寝てなきゃ…。」
「…もう少し、このまま。こうしてる方が落ち着く」
「…っ」

