ちっ、と不機嫌そうに舌打ちする奈波先生。
ってか、葵…。
なんでこんなに奈波先生を敵視してるんだろう…。
「あー、止めだ止め!」
突如、奈波先生が葵から目を逸らし、はぁっと深くため息をついた。
「ったく、めんどくせぇ。んなの、俺らしくもねぇよな」
「あ?」
奈波先生の呟きに、葵は怪訝そうに眉をひそめた。
そんな葵を、じろっと睨めつけわざとらしく声を張り上げる。
「あー、綺訛センセ。今まですっかり忘れてましたけどー、ちょっと話がありましてー。すみませんけど来ていただけますー?」
「えっ?ええ…。」
綺訛先生も、何か違和感を感じたに違いない。
だが、奈波先生の断れない笑顔に負けてしまったのかあっさり頷く。
「どーもー、綺訛センセ。じゃ、どーぞーお先に」
「あ、あの奈波せん…っ」
「じゃあなー森崎。俺たち、一時間したら戻ってくるからそれまで“一人で”、寝てろよ。牧瀬も、“一人で”さっさと教室戻れよな」
やけに“一人で”を強調していた奈波先生は、木訛先生を急かすよう背中を軽く押しながら、保健室をあとにした。

