「えぇっ、森崎くん、病み上がりなのに無理したんでしょう。今ベットの用意しますから、その椅子に座っててください」
と、綺訛先生は柔らかそうなソファーを指差し、自分はせっせとシーツを整えはじめた。
奈波先生は、よっこらしょと呟いて葵を椅子へと座らせる。
「じじいか…。」
「うるせぇぞ。お前が重いのが悪いんだよ。感謝する気持ちはねぇのかおまえには」
「…あんたが勝手にしたことだろ」
「かっわいくねぇガキだな、おい」
「かわいいだなんて思われたかねぇよ」
ふん、と鼻で笑う葵に、奈波先生は言い返す言葉に困ったらしく、眉間にシワを寄せて睨み付けた。
その光景が、なんだか可笑しくて。
私は、急にこみあげてきた笑いたい衝動を堪えることができなかった。
「ふふっ…」
「ん、牧瀬。何笑ってるんだよ」
「だって、二人して子供みたいなんですもん」
私がそう言うと、奈波先生と葵は微妙そうに顔を見合わせていた。

