ムッとした様子の奈波先生は、ちっと舌打ちして葵を睨み付けた。
「先生、そんなこと言わないで助けてください…っ」
「わかってる」
でもどうやら冗談だったらしく、葵の腕を自分の肩に回してぐっと担ぎあげた。
「おい、意識は戻ったんだろ。ちゃんと自分の足で歩け」
「うるせ…、柄にもねぇことすんじゃねぇよ…」
はぁ、と苦し気に息を吐きだして、それでも辛口を言う葵。
その様子に、少し安堵した。
あれなら、大丈夫そう…。
いつもの葵だ。
「で。その、明らかに喧嘩しましたよ的な怪我については、今度みっちり聞いてやるから覚悟しとけよ」
「…倒れた時に、ぶつけたんだよ」
「嘘つけ。」
けっ、と奈波先生は不快そうに眉を寄せ、保健室へと足を進めた。
「…あら、どうしたんですか一体!」
保健室に着いたとき、保健室の先生は予想外の訪問者にかなり驚いた様子だった。
「綺訛(キナマ)センセ、こいつ熱あるわ。寝かせてやって」
と、奈波先生は簡単に状況を説明する。

