俺様彼氏と空手彼女2





「葵、葵!」





「牧瀬?なにしてる?」




その時、誰かが少し離れたところに立っているのに気付いた。




私は、それが誰なのかすぐにわかった。




「奈波先生っ!」




私のクラスの担任である、奈波雪夜(ナナミ ユキヤ)先生だった。




若くてかっこよくておもしろくて、ってよく女の子たちが噂している先生である。




そんな奈波先生は、慌てた様子で私たちに駆け寄る。



「奈波先生!葵が…!」





「落ち着いて。何があった?」




「突然倒れて…っ、私、慌てて受けとめたんだけど、ぴくりとも動かなくって…っ」




「大丈夫だ、牧瀬。落ち着け」




奈波先生の力強い口調に私は、ようやく少しずつ落ち着き始めていた。





「…ぅ」




その時、かすかに葵は呻き声を洩らした。




「葵…!?」




「森崎、しっかりしろ!」



先生がそう声をかけると、葵はうっすらと目を開き、不快そうに顔を歪めて呟いた。






「―――最悪だ…。璃依が、奈波に見える…」




「…悪かったな、俺で。助けてやらねぇぞ、くそガキ」