「葵」
「…ん?」
「苦しい」
「…お、悪い。」
する、っと腕を解かれ、ほんの少し葵から離れる。
「あれ、葵?」
離れて初めて、葵の様子に気が付いた。
「…あ?どうした…?」
葵は、平気そうにしていたけどいつもと様子が違った。
「…んだよ、何かあったか?」
「もしかして、あお…」
「…っ」
そこまで言ったとき、グラリと葵の身体が揺れた。
「っ!?」
そのまま前屈みになる葵の身体。
咄嗟に腕を広げ、身体を受けとめようとするのだが、全く力の入ってない葵は予想以上に重く。
私もろとも、倒れこんでしまった。
「ったー…」
痛みに顔をしかめるが、すぐに我に返り一応受けとめたつもりの葵を見る。
葵は、私の身体の上でぐったりとして身動きをしなかった。
荒い吐息が、私の耳まで届く。
「ちょ…っ!?葵!しっかりしてよ、ねぇ!」
必死に身体を揺するが、ぴくりとも動かない。
…どうしよう…。

