俺様彼氏と空手彼女2





「――悪い、璃依。遅くなって」




耳元で葵が擦れた声で言った。





「べ、別に呼んでないし…。ってか、葵が来なくても私が…」







「…悪かった。」





「…っ!」





私の強がりを、葵はあっさり見破ってしまった。





「だから…、別に私は…っ」





「…もう、約束は破らねぇから。だから…もう、泣くな。」







「……葵のバカ!」





「…ああ。」





「バカ!バカバカバカ!!まぬけ!すっとこどっこい!トーヘンボク!まぬけ!のろま!アホ!」





「ああ。そうだな…。」





「葵なんか…っ、葵なんか、大嫌いなんだからぁっ!」




「ああ。」





葵は、そう怒鳴り散らす私を静かに、優しく受けとめてくれた。




葵は、悪くないのに。




ちゃんと、約束だって守っててくれて。




悪いのは、油断した私なのに。





それでも私を責めるわけでもないし、呆れたりしない。




ただただ、温かい手で包み込んでくれた。