俺様彼氏と空手彼女2





そう言って、くつくつと喉を鳴らして笑う芦野くんを、葵は更に鋭く睨み付けた。




「璃依から離れろ、今すぐだ!」





「そう慌てるなよ。しかし、もう少し遅く来いよな。もうちょっとだったのに」




「ふざけるな!!」





「ふざけてなんかないさ。」





「いいから、早く離れろ!」





「相変わらずお堅いなぁ」





なんだろう…。




今、相変わらずって言った。




見た感じ、幼なじみで仲良しだったっていうのは嘘だろう。




けど、芦野くんは葵を知ってるんだ。




もっと、違う関係なんだ、二人は。





「あんな扉、簡単なんだよ」




「もしかして、壊してきた?停学にならなきゃいいね」




くすくすと笑う芦野くん。




「…璃依、こっちに来い」




「…っ」





葵は芦野くんから目をそらさずに言った。




芦野くんも、今は私から距離を取り葵と睨み合っている。




だけど、口元には嘲笑が含まれており、余裕が伺えた。