俺様彼氏と空手彼女2






「あんたもさぁ、俺のこと女みたいだと思ってた感じ?残念だね。見た目はこうでも、身体も力も中身も…男だから」





「…っ!」




そう言って、細くて長い指でくいっと再び持ち上げられたあご。





そのまま、芦野くんの顔がゆっくり近づいてきて…―――!?





私は、思わずぎゅっと目をつぶった。





葵、どこにいるの!?




やだ…葵、葵!!


















「―――璃依!!」





「…っ!?」





ずっと求めていた人物の声が、私の耳へと届いた。




素早く反応し、そちらに目を向けると。




階段の下のところで、苦しそうに肩で息をした葵がそこにいた。





「あお…っ!」




「芦野!てめぇっ!!」





ドスの利いた、葵の低い怒鳴り声がそこをこだました。




葵の、怖いくらいの剣幕にさすがに芦野くんもわずかにたじろいだ。




だがそれも一瞬のこと。





すぐに、またあの何かを企むような、妖美な微笑みを口元に浮かべた。




「もう来たか、森崎。なかなか早かったなぁ?」