おっ、お、おおおお…!?
俺のモンって、何言ってんのこの人ーーーっ!
マジ顔で、こんなこと言う人いるんだ…!
ありえねぇー!
「お前、俺の言ってる意味わかってる?」
お、おまけにバカにされたよ…。
「ふざけないでっ!どいてよ!」
はっ、と我に返り、精一杯睨んで怒鳴る。
だけど、芦野くんはそれすらも楽しげに眺めただけだった。
「へぇ、噂どおり気は強ぇんだな。おもしれェ」
「ばっ、ばかにして!早く離れてっつってんでしょ!?」
私のあごに添えられていた芦野くんの手を勢いよく払い、怒鳴る。
おまけに、力一杯突き飛ばす。
私たちのいるところは、たまたま踊り場だったため、問題はないはずだ。
…だけど。
「…っ!?」
あんな華奢なのだから、簡単によろけると、そう思っていた。
しかし。
「な、なんで…」
「さぁ、どうしてだろうね」
彼は、よろけもせずに涼しい顔をしてそこに立っていた。

