俺様彼氏と空手彼女2





おっ、お、おおおお…!?





俺のモンって、何言ってんのこの人ーーーっ!





マジ顔で、こんなこと言う人いるんだ…!




ありえねぇー!





「お前、俺の言ってる意味わかってる?」





お、おまけにバカにされたよ…。





「ふざけないでっ!どいてよ!」





はっ、と我に返り、精一杯睨んで怒鳴る。





だけど、芦野くんはそれすらも楽しげに眺めただけだった。





「へぇ、噂どおり気は強ぇんだな。おもしれェ」





「ばっ、ばかにして!早く離れてっつってんでしょ!?」




私のあごに添えられていた芦野くんの手を勢いよく払い、怒鳴る。




おまけに、力一杯突き飛ばす。



私たちのいるところは、たまたま踊り場だったため、問題はないはずだ。





…だけど。





「…っ!?」





あんな華奢なのだから、簡単によろけると、そう思っていた。





しかし。






「な、なんで…」





「さぁ、どうしてだろうね」





彼は、よろけもせずに涼しい顔をしてそこに立っていた。