「もう、玲菜ってば…。」
しかしながら、玲菜のおかげで少し落ち着き始めた私。
大好きな唐揚げに手を伸ばし、口に運んだときだった。
「やぁ、こんにちは。楽しそうだね、二人とも」
ゴフッ!!
な、なんで!?
予想外の声に、私は咀嚼しようとしていた唐揚げを喉へと詰まらせた。
慌ててお茶を流し込むと、唐揚げはどうにか喉を滑り落ちていった。
ふぅ、と息を吐き出し、そっと声の主を見る。
「大丈夫?牧瀬さん」
心配そうに私を覗き込むのは、やっぱり芦屋くんだった。
「芦屋くん!どうしてここに!?」
「だから僕は…。いや、もういいよ芦屋で」
ふぅ、と少し肩を落とす芦屋くん。
「それより、大丈夫?お弁当、詰まらせたでしょ」
「あ、ううん!全然平気!!」
「それならよかった」
にっこりと、その優しい顔に柔らかい微笑みを浮かべる芦屋くん。
よく考えれば、唐揚げを丸呑みしてたんだけど…。
大丈夫、だよね…?

