玲菜は、時々こんなことをする。
だけどそれは、決して私達を喧嘩させようとしているわけじゃない。
私が素直になれないとき。
言いたいことを言えない時。
不安な時。
そんなときは、葵にわざとヤキモチを妬かせるようなことをしたりする。
玲菜曰く。
男はヤキモチを妬かせてナンボ!
そうやって夢中にして、引き付けておくのよ!
私的に、うーん…って感じだけど玲菜はしょっちゅうその手を使ってくるんだ。
葵の場合、逆効果だと思うけど…。
玲菜が走り去ってから、恐る恐る葵の方に振り替える。
だけど、葵はいつもと違った。
いつもなら、むっとした顔してるのに。
今日はなんだか悔しそうな、悲しそうな顔をしていて。
どうしてか、たまらなく不安になった。
一体、芦屋くんと何があったの??
今思えば、芦屋くんのことを忘れてたわけじゃなかったみたいに思える。
それに芦屋くんも。
何か、何かがおかしい…。

