「芦屋くん?」
私たちの話に出てきた名前に素早く反応する玲菜。
何故かきょとんとした顔をしている。
「芦野だよ」
葵が即座に訂正すると、合点がいったのか、あぁ!と頷く玲菜。
「ってかあんた、まだ名前間違ってたの?」
玲菜が信じられないものでも見るかのように、私を苦い顔をして見る。
いやいや、覚えにくい名前の芦屋くんが悪い。
「それで、いつの間にか仲良くなったの?芦野くんと。」
「別に仲良くなんて…。」
「あたしの知らない間に、何かあったんでしょ?」
あれは…、何かあったっていうことなのかな…?
玲菜の視線が怖いのと、何よりさっきから感じる葵の黒いオーラがヤバイ。
これは、言わないと大変かもしれない…。
「えっと、実は昨日…」
別にやましいことなんてないんだけど、恐る恐る慎重に説明を始める。

