俺様彼氏と空手彼女2





階段を登って教室のある階まで行く。




みんな、友達や彼氏と楽しそうに談笑しながら廊下を行き交っていた。




「あ!璃依!!おはよう!」



そんな中、大好きな玲菜の声が雑音を突き破って私の耳へと届く。




「あ、おはよう!!」




ニコッと緩む口元を慌てて押さえながら言うと、玲菜の目が意味ありげに輝く。




「あ、森崎くんが一緒だからってにやけてる。」




「べっ別ににやけてなんかっ」




「あるある。おはよう、森崎くん。風邪はもうだいぶいいの?」





「ああ。それに、こいつが心配で寝てらんねーから出てきた。」




なんて、全然大丈夫じゃない声で言う葵。




玲菜もそのことには気付いたらしく、苦笑いを浮かべている。



その時ふと、忘れていたことを急に思い出した。




「そうだ。すっかり忘れてたけど、芦屋くんに謝った方がいいよ?思い出したんでしょ?」




「…ああ。あとで謝っておくよ」



少し葵の返事が遅かったことが気になったんだけど、それでも謝ると言ってくれた葵にほっとしていた。