俺様彼氏と空手彼女2






握られた葵の手は、すごく熱くて。




どれだけ熱があるのか、わかってしまった。




「葵。ちょっと手離して」




「ん、どうした?」




考えこんでいた葵は、ふっと顔をあげて手を離してくれた。





私は自分がしていたマフラーを解くと、ふわりと葵の首に巻いてやる。




「え…っ」




「風邪っぴきが、薄着しない。熱あがるでしょ」





「…ふっ。お前、可愛すぎ」





「えっ?」





「なんでもねぇよ。ほら、ちんたらしてっと遅刻すんぞ」





「うん…?」






葵がモコモコの白いマフラーを巻いているところは何だか新鮮で。




しかも、女の子ものなのに意外と似合っているという。




なんだか可笑しくなって吹き出してしまった。




「何笑ってんだよ」




「別にー??」





葵がほんの少し、すねたような顔をしたのを私はしっかり見てしまった。




なんだか今日の葵は可愛いなって思ってるうちに、いつの間にか学校に着いていた。