俺様彼氏と空手彼女2






「そう言えば葵。」




「ん、今度はどうした?キスはさすがにうつるからダメだぞ」




「ちっ…、違う!!」





慌てて否定すると、悪戯っぽくニヤリと笑う葵。




く…っ、からかわれた…!



「それで?」




「だから…!芦屋くんって知らない?」




「芦屋ぁ?それ誰?」





途端に、怪訝そうな顔をする葵。



やっぱり忘れてるんだ。





「芦屋…、なんとか君だよ!10歳まで家が隣で、幼なじみだったんでしょ?」




「はぁ?俺にそんな奴…。」





そこまで言って、わずかに葵の動きが止まる。




何か思い出したように、驚きで目を見開いている。





「葵…?思い出したの?」



「…なぁ、そいつ。」




「え…?」





「そいつ、D組の芦野…か?」




「あっそうそう!芦野くん!昨日聞いたよ。幼なじみなんでしょ。」




「…そうか。後は?何か言われたか?」




静かに、葵は尋ねる。





なんだか様子がおかしかった。




いったい、どうしちゃったの…?