俺様彼氏と空手彼女2






その翌朝。




いつもどおり家を出ると玄関の前には。







「…葵!?」




「おはよう、璃依…ゴホッゴホ…」





そこにいたのは、辛そうな咳をする葵だった。




声もガラガラで、話すのもきつそうだ。






「こんなとこで何してるの!?風邪ひいてるのに!」




慌てて駆け寄ると、葵は目を細めて小さく笑った。






「お前が心配で、ぬくぬく家で…寝てられるかよ…」



そう言って、ポケットから手をそっと出して、ポンポンと私の頭に手を乗せた。




久しぶりのその感じに、寒さも忘れて顔が火照る。










「…ばか」





俯いて呟くと、葵はくつくつと喉で笑った。




「うつるから…、あんま近づくなよ…」
  




マスクで顔の半分以上が隠れてるけど、まだ熱は下がってないのかも。




ほんの少し、息が上がってる。




「うん…。本当に学校行くの?大丈夫?」





「この俺が、…風邪になんか負けるかよ。」







本当に大バカだよ、葵…。