俺様彼氏と空手彼女2





「何かな。何か、ぼくに聞きたいことでもあるの?」



「えっ」





そうしようかと思っていたところにそう聞かれ、思わずギクリとする。




って、そんなにびくつくこともないよね…。





どうせだし、聞いてみるか。




「あの、葵のこと前から知ってたの?」




「ああ、うん。知ってるよ。森崎は忘れてるみたいだけどね」




やっぱり…。






「どこで会ったの?」





「昔、家が隣だったんだ。」




「えっ、そうなの!?」





「そう。森崎が引っ越す前まではね。」





そう言って、ほんの少し目を伏せてしゅんっとうなだれる芦野くん。





「そうだったんだ…。」




じゃあ葵は、幼なじみのことを忘れちゃってるわけか…。




そりゃあ、怒りたくなるよね。




この人の態度とか雰囲気が変わった理由がわかった気がする。




そうしたら、なんだかこの人が急に可哀想になった。





「大丈夫!私が葵に言っとくから!きっと思い出すと思うよ」




私はなんの迷いもなく言った。