葵のいない1日は、すごくつまらなくて。
葵の存在が、すっかり私の日常に溶け込んでいるのだと改めて実感した。
しかし、それでも時間は過ぎていくもので。
気付けば、すでに放課後だった。
「じゃあ、あたし奈波先生に用事あるから。バイバイ!」
「うん、バイバイ」
玲菜とも別れ、一人で歩いて帰る。
てか、一人で帰るのって久しぶりかも。
うーん、居ないとやっぱ寂しいかもね。
そんな時だった。
「あれ、牧瀬さん?」
うっわ…、この声は…!
嫌な予感を感じ、恐る恐る声のした方を見やる。
あぁ…、違いますように…。
だけど、私の願いも虚しくそこにいたのはやっぱり彼だった。
「偶然だね。今帰りなの?」
「あ…えーと、芦屋くん」
爽やかな笑顔の彼に対し、恐らく引きつっている私。
よりにもよって今会うのか。
最悪だぁ…。

