俺様彼氏と空手彼女2





「へぇ。そうなんだ」




この人は、何が言いたいわけ?



「それで、森崎葵は?」




「葵なら休みだよ、風邪で。」




「風邪?へぇ、あの人も風邪ひくんだね」



一瞬きょとんとした芦野くんだけど、すぐに可笑しそうに笑いだした。




「森崎くんだって、あれでも人間よ。」





そう言って、玲菜もちょっと可笑しそうに笑う。



つか、あれでもってどういう意味よ、あれでもって。



若干ムッとして、玲菜に目で文句を言ってみる。




私の視線に気付くと悪戯っぽく笑って、手を合わせて謝っていた。






まったく…。





って、なんで葵の悪口言われたからって私が怒んなきゃいけないわけ!?



あああ…、馬鹿みたい私…。




「休みなら仕方ないね。じゃあ牧瀬さん、またね。相沢さんもね」




さっき一瞬見せた冷たい気配はすっかり影を潜め。




また爽やかに彼は去って行った。




「変な人だね…」




「そう?どこかミステリアスでいいじゃん!」





…ミステリアスか……?