その距離が、あまりにも近くて。
私は、胸がモヤモヤするのを感じていた。
「どうします?」
「あー、じゃあ…」
「あ、いいですねそれ!」
あははっ、と楽しそうな声が聞こえてきた。
生徒会って、女の子もいるんだ…。
そりゃそうだよね。
男ばっかなわけ、ないか。
「じゃあそれで頼むよ」
「はぁい」
瑞代さんは、最後までニコニコして三年の教室をあとにした。
ああいう子、葵は好きだったりするのかな。
可愛くて女の子らしくて、小柄で華奢で。
私とは正反対だ。
「わりぃわりぃ。それで、なんの話だった?」
「…生徒会が忙しいって話。」
「ああ、そうだったな。今日、教室で待ってろ」
「…いいよ。葵、忙しいでしょ?」
ここでわがままを言って、葵や瑞代さん達の邪魔しちゃだめだ。
私は努めて笑顔を作った。
「いや、今日は本当に大したことねぇから」
「気、遣わなくていいよ?会長なんだし、葵が必要だよきっと。さっきだって、瑞代さん来てたし」

