俺様彼氏と空手彼女2





その距離が、あまりにも近くて。



私は、胸がモヤモヤするのを感じていた。




「どうします?」



「あー、じゃあ…」




「あ、いいですねそれ!」



あははっ、と楽しそうな声が聞こえてきた。




生徒会って、女の子もいるんだ…。



そりゃそうだよね。



男ばっかなわけ、ないか。



「じゃあそれで頼むよ」



「はぁい」




瑞代さんは、最後までニコニコして三年の教室をあとにした。



ああいう子、葵は好きだったりするのかな。



可愛くて女の子らしくて、小柄で華奢で。



私とは正反対だ。





「わりぃわりぃ。それで、なんの話だった?」




「…生徒会が忙しいって話。」



「ああ、そうだったな。今日、教室で待ってろ」



「…いいよ。葵、忙しいでしょ?」



ここでわがままを言って、葵や瑞代さん達の邪魔しちゃだめだ。



私は努めて笑顔を作った。



「いや、今日は本当に大したことねぇから」



「気、遣わなくていいよ?会長なんだし、葵が必要だよきっと。さっきだって、瑞代さん来てたし」