「何が生徒会だよ、めんどくせぇ」
と、愚痴をこぼす葵。
でも私は知ってる。
葵は、生徒会の仕事はそんなに嫌いじゃないってこと。
「私は大丈夫だから。今日もがんばって。」
「あのな、…」
葵がなんだか複雑そうな表情をしたとき。
「森崎先輩ー!」
教室の中を明るい声が突き抜けた。
「…あーあ」
その声を聞いた瞬間、葵は眉間にシワを寄せて頭をかいた。
何事だろうと私も目を向けると、入り口のとこでこちらを見つめる可愛い女の子が。
え、だれ??
尋ねる意味を込めて、もう一度葵を見上げる。
「書記の瑞代千春(みずしろちはる)。二年だよ」
はぁ、と深くため息をつく葵。
「なんだ瑞代っ」
そして小走りで瑞代さんに駆け寄る。
「あ、来週のイベントのことなんですけどぉー」
と言って、持っていたプリントの束を指差す。
「あ?どれ」
「これですよぉー」
葵は、瑞代さんに近づいてプリントを覗き込んだ。

