俺様彼氏と空手彼女2





「何が生徒会だよ、めんどくせぇ」



と、愚痴をこぼす葵。



でも私は知ってる。



葵は、生徒会の仕事はそんなに嫌いじゃないってこと。


「私は大丈夫だから。今日もがんばって。」



「あのな、…」




葵がなんだか複雑そうな表情をしたとき。



「森崎先輩ー!」



教室の中を明るい声が突き抜けた。



「…あーあ」



その声を聞いた瞬間、葵は眉間にシワを寄せて頭をかいた。



何事だろうと私も目を向けると、入り口のとこでこちらを見つめる可愛い女の子が。



え、だれ??



尋ねる意味を込めて、もう一度葵を見上げる。



「書記の瑞代千春(みずしろちはる)。二年だよ」




はぁ、と深くため息をつく葵。




「なんだ瑞代っ」




そして小走りで瑞代さんに駆け寄る。



「あ、来週のイベントのことなんですけどぉー」




と言って、持っていたプリントの束を指差す。




「あ?どれ」



「これですよぉー」




葵は、瑞代さんに近づいてプリントを覗き込んだ。