店長がハサミを手に取った瞬間



『店長ぉーーーぉ!!!』

店内に響き渡る声

その場にいた誰もが一瞬動けずにいた


声がした方に目を向けると、パッと見ハタチそこそこくらいの青年


身長が高く、スラっとした身なり
少しウエーブがかかっている黒髪を後ろで一つに束ねていた

その青年が少し急ぎ足でこちらに向かって歩いてくる
声の主は彼だとわかった

店長が近づいてくる青年に

「ヒロ、声が大きいって・・・」

どうやらその青年はヒロとゆうらしい


『すいません店長』
言葉とは裏腹に青年ヒロの顔は笑顔だった

雰囲気からして店長が可愛がっているのはすぐにわかった
でも麻衣は初めて見る顔だった
とゆうより店長以外、知らないと言った方が正しいかもしれない


青年ヒロは店長に電話と告げると

「店長はちょっとごめんね」 といって去っていった

それと同時に青年ヒロが鏡越しにこちらを見て
「いらっしゃいませ。ヒロといいます。」

目線をあげると自然と目が合った
みごとな営業スマイルだなぁーっと感心しながら

「ヒロくん・・・ですか」

「ヒロでいいですよ、麻衣さんですよね?」

「え、なんで知って・・・」

「店長からよく話しを聞いていますから」

「あっそうですかぁ…」


そう答えた後、自分の事をどう説明されているのかとゆう疑問に数分費やした