放課後、雪希奈と少しテレビの話をしていた。


雪希奈と話して嫌な気持ちをリセットした。
そして、へりくつ王子事、水無瀬賢太郎の元へ向かった。


部室に近づく度に気持ちが鉛の様に重くなる。


科学考察研究部の扉を開けた。


扉は蝶番が油切れを起こしていて、奇妙な擦れる音が響く、嫌な音である。


部屋の中で、白衣を着た水無瀬賢太郎がいた。


水無瀬賢太郎は、人体模型に和服を着せていた。


あまりの異様さに思考が一瞬止まりかける。


出てきた言葉はただ一つ。

『変態』



水無瀬賢太郎は平然な顔をして、軽く会釈する。


山田さんに和服を着せたら似合うんだよな。



こっちの戦意を、肩透かしさせる技術を、水無瀬賢太郎はもっているか?