多分沢木組長は、弘さんが嘘をついてると気づいてる。



気づいていて、あたしに意味深な顔を向けてきてる。



あたしはこの場にいたくなくいつもより早いけど帰ることにした。





「弘さん、今日はマリアが早く帰るからあたしはもう帰りますね」


「ああ、分かった」


「それでは、お先に失礼します」




あたしは沢木組長と目も合わさずそう言うと荷物を手にとった。