三人は一番端の部屋に入った。
「タケシタさんの名前。ヒカルって言うんだ。」
ユミが尋ねた。
「そう。アイツはタケシタヒカル。年齢はあたし達よりひとつ上で十八歳だけど、すでにアメリカのカレッジを卒業してるって･･･。」
「すごいね。タケシタさんって。ものすごく頭良いんだ･･･。」
ヒカルは窓の外をみた。窓から見えるちょっと飛び出した施設が温泉。そして、外に出て小高い丘の上のアレが観測所。つくづく変な建物だと思った。
「ね。なぜ、タケシタさんとヒカルの関係は？」
ユミが尋ねた。
「んー。知り合い･･･。」
ソレだけいうとヒカルはベッドに横になってしまった。
こんな形の再開。ほんと夢のようで･･･。
ヒカルの頭には暗いモヤモヤが渦巻いていた。
「二人のヒカルか･･･。」
「なんかちょっと意外。あのヒカルちゃんが悩むんだもん･･･。」
「そりゃ人間悩むことはあるさ･･･。」
「でも、二人の仲。気になるね。」