すこし小高くなったところに天文観測所特有のドーム型の屋根が見えた。雪が降っているせいかまだ四時を回ったところなのに外は薄暗かった。観測所には明かりがついていた。
「誰かいらっしゃるんですか？」
リサが尋ねた。
「うん。君たちのプランの主催者たちがアソコで研究をやっているよ。夕食までには呼びに行かなきゃ行けないな。」
「なに。ヒカル君。新しい参加者かい？」
窓から観測所を見つめていた三人に後ろから声がかかった。
「はい。彼女達も天体観測会の参加者ですよ。」
タケシタが答えた。
「へー。僕は立嶋昇です。帝都大付属高校の二年。よろしく。」
立嶋は軽く会釈した。キリっとつりあがった目は坂井クンよりかっこいいのにとユミは思った。ただ、この数後の自己紹介の中にも自分に対する自信がにじみ出ていたのがイヤだと思った。
「で。ヒカルくん。オーナーに暖炉のまきがもうないって伝えたら、ヒカル君に頼んでくれといわれてね･･･。」
「そうですか。すぐに行きます。では皆様。今日は六時からの夕食となります。お部屋で過ごされても結構ですし、リビングの奥にある部屋が先ほど申し上げました故吉川博士の書斎です。面白い本がたくさんありますのでそちらで時間をつぶされるのも良いと思います。もちろん温泉でも･･･。」
タケシタはそういうと立嶋と外にあるという小屋にいってしまった。