女子高生名探偵の事件簿

「立嶋さん。オーナー。どうですか？」
雪に靴を押し当てていた立嶋たちにヒカルが声をかけた。
「靴跡は間違えないと思います。おそらくここに呼び出された津田さんは何らかの方法で殺害されたというのは間違えないと思われますね。」
立嶋がキッパリ言い切った。
「なるほど･･･。」
ヒカルが頷く。
「それよりあなたたち。」
立嶋がヒカルとタケシタを指差した。
「あなたたち二人。現場を荒らしませんでしたか？」
厳しい目つきだった。いままでの腰が低かった立嶋とは明らかに違っていたのでヒカルはすこし驚いた。
「たしかに。でも、それはすこしでもこの事件の真相に近づきたかったからで･･･。」
「そんな軽率な理由で現場を荒らしたくありません。素人は黙っていてください。」
立嶋がヒカルに怒鳴った。
その二人の間にタケシタが割って入った。タケシタの鋭い目が立嶋に注がれた。まるで別人のような気迫に立嶋が黙った。
「と。とにかく足跡にも注意して･･･。皆さん戻りましょう。ヒカルさん。ユミさん。リサさん。そしてタケシタさん。これからは僕の許可なしにむやみに歩き回らないでください。いいですね？」
立嶋は再び厳しい口調でタケシタをにらんだ。
「昇さん。そんな。タケシタさんたちに失礼すぎます。」
そんな立嶋の様子を見ていたマイが声を荒げた。