「あれっ。立嶋さんやオーナーはどこに?」
タケシタがあたりを見渡した。二人の姿がない。
「それじゃぁ、外じゃないかな?足跡のチェックとか・・・。」
「だんだん体も冷えてきましたね。三人を連れてもうそろそろ帰りましょうか。」
タケシタが手袋をはずした。
「タケシタ。完全に現場の保全とか考えてないけど、いいのか?」
ヒカルがタケシタにたずねた。
「そうですね。写真ぐらいは撮っておいた方が良かったかもしれませんね。」
「良かったかもって・・・。オィ。」
「まぁまぁ。ヒカル・・・。すんだことは仕方がない。それに誰も気がつかなかったんだ。タケシタさんの責任ではないから・・・。」
合流したユミがヒカルの頭を小突いた。
「で。ヒカルちゃん。何か手がかりは見つかったの?」
リサがたずねた。
「ぜんぜ~ん。今。立嶋さんとオーナーが多分調査してるトコ。」
ヒカルが気の抜けた声を発する。
「ヒカル。立嶋さんは前にも事件を解決したことがあるのよ。」
「さっきマイさんから話しを聞いたけど・・・。有名などろぼうを推理して見事逮捕したんだって。ヒカルちゃん。立嶋さん実はすごい人なんだって。」
ユミとリサが声をそろえた。
「へー。そうなんですか。マイさん。」
ヒカルがマイに尋ねた。
「え。ハイ。でも、そのせいで今回のように事件に首を突っ込むようになってしまって・・・。タケシタさんたちのお邪魔に・・・。」
そういうマイの声は小さかった。