女子高生名探偵の事件簿

「ヒカル。起きて。」
ドンドンとドアをたたく。
「やっぱりヒカルちゃんを一人にするのはまずいよ。朝起きないもん」
リサがぼやく。
「はぁ。なんでいつもアイツはあーなんだ。」
ユミがドアをバンとたたいた。
「ふが。ええ･･･。」
部屋の中からすっとんきょな声がした。
「やっとおきたか」
「ヒカルちゃん･･･。」
二人のため息に迎えられてヒカルが部屋から飛び出した。
「キミら。津村見なかったか？」
古川が階段を駆け上がってきた。
「何かあったの？」
ユミが聞き返した。古川の息は上がっていた。
「それが、朝。不審な電話があって･･･それで、アイツを探しているんだけど･･･。」
「部長。お風呂のほうにも津村さんの姿はありません。」
三田が階段を上ってきた。
「いったいどこに行ったんだ？」
「この雪の中です。下山など一人ではできません。」
「そうだが･･･。」
古川がため息をついた。
「古川君。津村君は観測棟にいったらしい。」
１階からオーナーの吉川氏の声が聞こえた。
「オーナー。どういうことですか？」
古川が叫びながら１階へと駆け下りた。三田やヒカルたちもそれに続いた。