「カレがタケシタヒカルさん。」
「あー。かっこいい人ですね。」
タケシタを見たマイがうっとりした声を上げた。
「皆さん。集まったと思うんでとりあえず乾杯しましょう。」
背の高い男が入ってくるなり呼びかけた。
ガヤガヤ入ってきた人間達もとりあえず席を見つけて着席した。
マイはヒカルの隣に座った。
「みなさん。こんばんは。私が科学部部長で今回の企画を立案した古川昌憲です。まずは、この夢のような施設のオーナーで今回の企画にご理解とご協力をいただいた吉川さんにカンパイの音頭をおねがいいたします」
拍手の中、吉川オーナーは立ち上がった。
「それでは。カンパイ･･･。」
参加者はテーブルにならべられた料理にがっついた。全員が食べるのに集中している。そんな珍しい光景だった。


「たべたわー。」
ヒカルが天井を見つめて満足そうにつぶやいた。
「おなかすいてたもんね･･･。」
リサが満足そうな笑顔を浮かべている。
タケシタが食後のハーブティーを入れてきた。
「いっぱい食べた後はこれを飲むとすっきりしますからね。」
そういって各席を回った。
「君はいつも食べ過ぎる。」
ヒカルの前にカップを置いたタケシタが小さくつぶやいた。
「ん～。うるさいぞ。」
ヒカルがうつむいた。