【短】『鏡』


「こんな思いをするくらいなら・・・『アンドロイド』なんか、創らなければよかった・・・」

これ以上自分が傷つく前に、できることは何だろう?

「カズヤ様」

アスカが急に動き出した。

「街ガ燃エテル」


窓の外に目を向ける。

街のある方の空が・・・真っ赤だった。

「これは一体・・・」

「・・・『アンドロイド』です」

ドアの方から聞こえた声に、振り向いた。

「・・・翼・・・今の、聞いて・・・」

翼は、僕の問いかけには答えなかった。

「・・・人間たちの国を滅ぼし、自分たちの国を作ろうと、『アンドロイド』が暴走しているのです」

「なん・・・だと?」


街が、燃える。

全てが、灰になる。


「どうして『アンドロイド』が・・・?」

「『アンドロイド』は、持ち主の知識と記憶をコピーしたもの。それと同時に、意思や感情までコピーしてしまったのです。その結果が・・・これです」

心の底から、自分の研究を悔いた。

こんなことになるなんて・・・。