「それはね、アスカ」
『アンドロイド』は進化するほど人間に近づき、知能はいずれ人間を超えてしまう。
しかし、それに温もりなどなくて、共に生きるには寂しい存在。
それは、『自分』と『他人』を象徴するかのように。
『アンドロイド』が人間に近づくほど、その綺麗な部分と汚い部分の両方が見えてくる。
それは、本当の『自分』を映す『鏡』だから。
『鏡』と向かい合うほど、自分はとても汚く醜い、弱い人間だと思い知るから。
「さっきのように」
翼は僕を映す『鏡』だから。
僕の迷いや不安、弱さや脆さを知っているから。
「自分が傷つきたくないからだよ」
『アンドロイド』は、持ち主の知識と記憶をコピーして、そこから進化していくから。
自分の過去を知っているから。
つまり、そういうこと。
『アンドロイド』と自分を重ねて、
自分に絶望するのが怖いから・・・。

