生徒たちからとても人気があったりぃ君は、みんなの勉強をよくみて、受験生の手伝いをたくさんして、男子生徒としょっちゅう遊び、女子生徒から多くの告白をされていて。

この学校では本当に中心的な存在だった。



「あ?なんだお前ら知ってんのか?」


教卓に体重を預けてダルそうに立つりぃ君は、ちっとも先生らしくないのに。

「え〜!噂ほんとだったの!?なんでぇ?」

「サエちゃんが先生じゃなくなったら後輩たち悲しむねー」

「俺らは卒業まで先生やってもらえてラッキーだったなぁー!」

「ほんとそれ!」


誰よりも先生として好かれ、頼りにされていたんだと、私まで嬉しくなる。

ふふっ、先生姿のりぃ君もこれで見納めだしたくさん眺めとこー。


ニヤニヤしながらりぃ君を見ていると、フッと目が合った。

ーードキッ

あの艶のある美しい瞳に見つめられると、いつも、どんなタイミングでも勝手に心臓が跳ねてしまう。