え!?大変!

胡桃が具合悪くなるなんて滅多にないから、ものすごく同様して、

ガタッ!!

力任せに椅子から立ち上がった。



「え?」

なのに私の机の前にはすでに胡桃が立っていて、まっすぐに私へと右手を伸ばしている。


「歌~、付き添って?」


私を呼ぶ声は、とっても病人の声には聞こえないくらい甘ったれた優しい声だった。



……こくん。


首を縦に振ると、目から涙が落ちそうなった。




2人で教室を出ると、


「屋上にしよ~」

私の手をギュッと握りしめて歩く胡桃の後ろ姿を、滲む視界で一生懸命見つめる。



話したい。

胡桃に聞いてもらいたい。


迷惑かけたくない。

と頑なに思っていた心が、繋ぐ左手から伝わる熱で自然と解かれていくのを感じて、

目の前の小さな背中がさらに愛しくなった。