背中にのしかかる胡桃を振り返り、

「うん。胡桃おかえりー」

「ちっがうよー!ここは、おかえりダーリン、なとこでしょーっ!」


ぶーぶーと意味不明な怒りを口にする胡桃に、空いている前の席を進める。


「はいはい、座って」

「も〜!で、歌は今なに見てたの?イケメン?」

「んー……それより、どうだったの?なにか言われた?」


返事もせずに話題を変えると、過剰に反応した胡桃が、

「あ!話そらしたー!イケメンなんだっ、イケメン見てたんだー」

変なとこに食い付いてきた。


……最近ますますイケメンに飢えてるらしい。


「あーはいはい。佐伯先生が校庭でサッカーしてるから、みんなが騒いでたのを見てたの」

「きゃー!まじまじ!?サエちゃんがっ!?見る見る〜!!」


テンション、高。

言わなきゃよかったかも。