朝になる。

重い瞼の上からでも光を感じている。

目を開ければ、また見慣れない
白い天井。

寝返りをうとうとしても動かない体。


-あぁ、やっぱり夢じゃないのか。


あたしは、あの日彼氏の浮気現場に遭遇して、
イライラして、哀しくて、人目も気にせずに泣いた。

都合よく雨まであたしを苦しめて、

それでも傘もささずに走っていて。


悲劇のヒロイン演じちゃってバカみたい。
そう自分で思ったけれど、あたしの足は止まらなかった。