「神谷くんは・・・・・・理香ちゃんが・・・・・・神谷くんのこと好きなの・・・・・・知ってるんでしょ・・・・・・?」

「知ってたら、夢乃はどうするんだ?」

「私は神谷くんと別れるよ。神谷くんも、自分の事が好きな女の子と付き合ったほうがいいと思うし・・・・・・」

 私がそう言うと、神谷くんの目つきが変わった。

「夢乃は俺の事がキライなのか・・・・・・?」

 悲しいような瞳。なんでそんな瞳をするの?分かんないよ・・・・・・。

「好きでも・・・・・・嫌いでもないよ・・・・・・」

 そう。好きでも嫌いでもない。ただ、ニガテなだけ。

「上原になんかされたか?」

「何もされてないよ・・・・・・」

「頬、赤くなってんじゃん」

 私はとっさに頬をおさえた。

「上原がやったのか?」

 私は黙ってコクリとうなずいた。すると、神谷くんの大きな手が私の頬にそっと触れた。

「守るっていったのに、守ってれなくてごめんな?」


ドキッ!

 あれ・・・・・・?やっぱり、さっきみたいにドキドキする・・・・・・。なんでだろう。

「夢乃?」

「へっ?あ・・・・・・何?」

「夢乃さ、俺のこと嫌い?」

「だから・・・・・・好きでも嫌いでもないって・・・・・・」

「好きか嫌いかはっきりしろよ」

「えっ?」