神矢くんの『待って!』という言葉を無視して歩いていると、前に雅が見えた。


「雅っ!!!おは……」


『おはよう』が途中で途切れてしまったのは、


「置いてくなって」


神矢くんの腕が私の頭の上に乗ったから。

私と神矢くんには20センチぐらいの身長差がある。
腕を私の頭の上に乗せるなんて簡単な事。